ロジスティクスとILS/IPS(電子出版)
エヴァアビエーションでは「EvaBUNKO」シリースとして、ロジスティクスやILS/IPSなどについてのエントリー解説本を電子出版しました。以下のKindleからご購入ください。(200円など)
ILSのロジスティクス
ILS(Integrated Logistics Support)は、アメリカがベトナム戦争の大混乱を反省して研究した、科学的なロジスティクス活動です。航空機や船舶など大規模な装置・装備システムにおいて、使用者がアフォーダブル(手頃な価格)に運用できるものを設計・開発し、運用・維持するためのフレームワークです。IPS(Integrated Product Support)は後年、設計への関与を強調するために名称を変えたものです。
第1章で、ロジスティクスとは何か定義し、ILS/IPSの国際規格の歴史的発展を概観します。MIL-STD-1388に始まり、昨今注目のSシリーズ国際規格を説明します。その上で、欧米の活用事例や適用の考え方などの紹介を行います。
第2章は、米国のロジスティクス第一人者であるJames Jones氏のILS Handbookから「ロジスティクスとは何か」について含蓄のある文章(第1章)をご紹介しています。ロジスティクスを学習するにあたって、全世界のロジスティシャンが読んでいるこのメッセージを、最初の一歩として必読の章です。(別途、弊社から全訳も出版する予定です。)
第3章、第4章は、別に販売している2冊の内容について概要を示しています。詳細は、それぞれの本をご覧いただけたら幸いです。
ロジスティクスのプロを自認する皆さんにとっても、これから勉強しようという入門者の方にとっても、改めて科学的な整理をするための力になれることを願っています。
ロジスティクスのILSからIPSへ
本書では、「後方支援」や「プロダクトサポート」と言われているロジスティクスの活動について、原点は何だったのかと思い、まとめてみようと試みたものです。海外の軍事システムでの活用をベースに書いているため、どちらかというと軍向けの内容となっています。(2000円)
- ロジスティクス、ILSとは
ILSハンドブック(James Jones著)序章より
最初に欧米のロジスティシャンのバイブルのひとつである「ILS Handbook」より、Blanchard博士による巻頭文の翻訳と、著者James V. Jonesの第1章の説明から骨子の抄訳を掲載します。
- ILS概要
ASI社の通信教育教材から、ILSの基本を説明しています。ただし、米国での初期のILS定義のため、最新の分類とは多少差異があります。(ILS要素(エレメント)の数は10ですが、最新のIPS要素数は12に増加しています。)
- ILS/IPSと国際規格
ILSの歴史をたどりつつ、原点となるMIL-STD-1388を概説し、米国で現在使われているSAE TA-STD-0017の概要を紹介します。
最も新しい欧州を中心に進められている国際規格Sシリーズでの概要も紹介しています。
- 装備システムの任務達成指標とLSA分析
「後方支援」は、装備品やシステム等の部品を修理・交換しながら、装備システムの寿命を最大化させつつ、費用対効果の高い後方支援態勢を立案、評価する活動です。さらに、サポート態勢の変化、装備システムの配備時期(時間軸)等を考慮にいれた上で、任務達成度の向上を目指すといった分析を行う任務もあります。
DX時代の後方支援はモデルベースの分析を行う方法となります。現実世界と、コンピュータシステム内にあるマスモデルは「デジタルツイン」として車の両輪となります。これらモデリングに必要なデータを収集するには、標準化されたデータの定義が必要です。
また、デジタルツインモデルといっても現実世界をサイバー空間に忠実に再現するには、不断のデータ整備が重要です。そのための装備システムを現状の事務処理系ERPシステムやMROシステムをベースにモニタリングが出来るような改善をしてゆくことが重要となります。
- 装備システム開発時のデータ戦略と標準確立のタイミング
IPSの概要とともに、国内および国際的なパートナーのグループが携わる装備システム等の開発プログラムにおいて、プロジェクト全体のデータ戦略と標準を確立するために理想的なタイミングとその理由を解説します。TFDE社presidentのAllan Goody氏の講演録を編集したものです。
- 用語集
参考文献や用語/頭字語など、皆様の研究や学習の参考になれば幸いです。